8月17日、午前中は台風通過後の安全点検のため、松が谷方面の公園緑地を巡回しました。
中でも東中野公園は少し時間をかけて廻ったので、見頃の植物情報などをお知らせします。
雑木林内でゆっくりと動く影がありました。大型のイトトンボ、オオアオイトトンボです。
林縁の水たまりなどに張り出した樹皮下に卵を産むため、水域から離れた環境にもいます。
この美しい姿を見かけるようになると、夏も終わりに近付いていることを実感しますね。
バス通り歩道沿いの植え込みでは、ホドイモがつるを伸ばして見事に咲き始めていました。
自然館への問い合わせも多い人気の植物です。確かに花付きの良い株に会う機会はあまり
多くありませんが、特徴的な5枚セットの羽状複葉を覚えてしまえば、あちこちに生育して
いることに気が付くはずです。乳母ヶ谷遊歩道側の林縁にもたくさん群生していました。
御影石に着生するウチワゴケ。雨のあとなど、ウェットな状態ではよく葉を開いています。
ところどころに見られるチャルメラ型の構造は苞膜。内側の棒の周囲に胞子嚢が付きます。
名前も姿も“コケ”ですが、れっきとしたシダ植物で、由木地区ではとても稀な種類です。
芝生の広場には、カヤツリグサ科のヤマイとクロテンツキが一面に群生していました。
どちらも本来は自然草地や水田の畦畔などに生育するものですが、鹿島・松が谷方面では
芝生に発生します。定期的に刈り込まれ、適度に湿っているから居心地が良いのでしょう。
昨年11月にかいぼりを実施した鴨池では、水際に泥上げを行って生まれた湿地から、様々な
植物が発芽してきました。タガラシ、ホタルイ、アゼガヤツリ、アゼナ、コナギといった
湿生植物のほかに、タデ類や低木の実生も繁茂してきています。写真はアイダクグです。
水辺の草むらはトンボなどの格好の居場所になっているようで、今度時間があるときに、
生きものも含めてしっかり調査してみたいと思いました。どうなっていくか楽しみですね!
その他の植物は写真にて。順にマメヅタ、アズマザサ(アズマネザサとは別種)、ウバユリ、
エナシヒゴクサ、ヒメクグ、タガネソウです。いずれも東中野公園の園内で確認しました。
松が谷地区の生物多様性ホットスポットともいえる東中野公園。ちょっと最寄りの駅からは
距離がありますが、四季を通じて色々な動植物と出会える、おすすめの公園ですよ!
おまけ。ナンバンギセル、コヤブタバコ、松が谷駅付近の路傍に群生するマキエハギです。
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