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イワツバメの秘密とパーキッズ今年度最終回

3月23日、先日22日からツバメ初認の報せが届いていますが、私もこの日に確認しました。

私用で五日市方面に出かけた際、武蔵五日市駅前をツバメが飛び交っているのを車窓から

観察しました。その後、あるお寺の上空をイワツバメの群れが何度も飛び回っていたので

カメラを向けてみました。イワツバメはツバメと違って丸っこい体型が愛らしいですね!

尾羽が短めで腰が白く、喉からお尻にかけて腹側が一様に白いことなどにご注目下さい。

鳴き声や巣をかける環境など、生態も異なっており、ツバメとの区別は難しくありません。

さて、そんなイワツバメですが、じつは戦前には東京では滅多に見られない鳥だったことが

わかっています。当時は文字通り、高山の岩場などで集団繁殖する渡り鳥であり、街なかで

見かける機会はまず無かったようです。それがあることをきっかけに、平野部でも普通に

繁殖するようになったといいます。そのきっかけというのが多摩市連光寺にある実験所で

七年間に約500羽のイワツバメの巣立ち雛(長野県松本市産)が放鳥されたというものです。

今では考えられないような壮大な実験ですね!このあと、帰巣本能で多摩地域に帰還し、

やがて八王子市で営巣を始めたのを皮切りに都内各所へ広がったものと考えられています。

このことは多くの図鑑や文献では語られておらず、認知度も低いようなので、かいつまんで

年表にまとめてみました。昭和後期から、イワツバメの営巣に適した鉄道高架やコンクリの

建造物が増えてきたことも、きっと彼らの定着や分布拡大を後押ししたに違いありません。

ちなみに上記の年表は、八王子自然友の会発行の冊子「多摩の自然」バックナンバーの中で

故・金井郁夫氏が書かれた記事を基に作成しました。金井氏は、八王子の生きものについて

市民データも活用しながら数多くまとめられた先生です。以前、八王子市史編さん事業の

一環として、金井先生が遺された膨大な資料を整理し、データ化する作業を担当したことが

あり、その時に八王子のイワツバメの歴史をはじめ、多くの知見を得ることができました。

話を戻します。お寺の上空を飛ぶイワツバメの中に、数羽のツバメも混じっていました。

やはりイワツバメよりもすらっとしたフォルムで、細長く伸びた尾羽がかっこいいですね!

ところで、この日は今年度最後となるパークキッズレンジャーの活動が行われました。私は

休みだったので少し様子を覗いただけですが、久しぶりの大所帯で盛り上がっていました。

サクラ類の開花調査、カエル類の産卵調査、そしてメインは落ち葉ストッカーの製作です。

落ち葉ストッカーは先日のイベントで製作したものをさらに補強する形で行われました。

サルノコシカケに「パーキッズ」と書いた表札は、子どもらしいナイスアイディアですね!

みんな、一年間お疲れさまでした!来年度もたくさん楽しい活動を企画したいと思います。



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