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アザラシとヤドカリ

2月14日、出勤すると「自然館駐車場の出口に変な虫がいた!」とスタッフからの速報。

写真を見せてもらったところ、フユシャクの仲間のようだったので早速見に行きました。

南京錠にしっかりと掴まっていたのは、アザラシのような姿をしたフユシャクの雌でした。

おそらくクロバネフユシャクという種類だと思います。他の種類と同様に、雌は翅が

退化して飛ぶことができません。フェロモンを放出することで飛び回る雄を誘うそうです。

こんなところで雄を待っているなんて不思議ですね。いい男が見つかりますように。

つくいけの道の手すりで、私もフユシャク類の雌を見つけました。こちらは白っぽい姿。

ウスバフユシャクのようです。手すりはフユシャクのホットスポットになっています。

今度は別のスタッフが「洋服にくっついていた」と、また別の種類を見せてくれました。

先の2種は翅がほぼ消失していましたが、こちらは退化した翅が飾り程度に付いています。

ヒロバフユエダシャクという種類です。フユシャクの仲間はどの子も個性的で面白い!

思いがけず“陸のアザラシ”3種に続けて出会えたラッキーな1日でしたが、もう一つ、

嬉しい出会いがあったのでご紹介します。ケヤキ樹皮下にいた不思議な虫の正体は

ダニの仲間、ウズタカダニの一種です。その姿はまるで“陸のヤドカリ”。

脱皮するごとに、自らの脱皮殻を背中にうず高く積み上げていく習性があります。

写真の右の個体は見事に4段積み上がっているので、成虫ということがわかります。

身近な場所にも、まだまだ不思議な生き物がいっぱい潜んでいるものですね!

さて、先週に引き続き、堀之内東山方面でマスターズプログラムの活動を実施しました。

希少植物の移植保護エリア内に落ちた枝の処理や、生えてきた竹の除伐を進めました。

先週は雪に埋もれて観察できませんでしたが、谷底部では、ニホンノウサギの食べあとや

スミレ類の越冬葉を確認することができました。4~6枚目は地表に早出枝を出して広がる

アオイスミレの葉っぱです。7~9枚目はそれ以外の種類で、順にニオイタチツボスミレ、

タチツボスミレ、マルバスミレです。写真で見ると、どれもそっくりに見えますが・・

そして、アオキの葉裏では、昨日紹介したばかりのヒゲナガサシガメの幼虫をまた発見。

作業の手を止めて、皆さんと一緒にその奇妙な姿を夢中で観察したのでした。

生き物づくしの豊かな一日。全部は載せきれませんでしたので、残りはまたの機会に!

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