3月17日、近所を散歩中に何かのかたまりを蹴飛ばしてしまいました。「お、クルミ?」
拾い上げると、まるで鳥の頭骨のように綺麗な丸い穴の開いた、オニグルミの果実でした。
ご存じの方も多いかもしれません。これは野ネズミの一種、アカネズミの食べあとです。
例えばリスは、かじって切れ込みを入れてクルミを真っ二つに割ります。また、カラスは
高いから落としたり車に踏ませるなど、工夫してクルミを割ることが知られています。
ではアカネズミはどうかというと、クルミを割る力やその術を持っていないため、両側から
少しずつかじって穴を開け、中身をほじくり出すようにして食べるので、こうなるのです。
アカネズミは夜行性なので、姿を見かけることは滅多にありませんが、案外、身近な場所に
生息しているようです。こうした食べあとの存在や、アカネズミを主食とするフクロウが
暮らしていることなど、直接観察できなくても、状況証拠がそのことを教えてくれます。
この散歩道にはウグイスカグラが植栽されていますが、近くでよく見てみると、花や枝に
びっしりと毛が生えています。さらに拡大すると、毛の多くは腺毛といって先端が丸く
膨らんだ特徴的な毛であることがわかります。ミヤマウグイスカグラという変種です。
ウグイスカグラには複数の種内変異が知られていて、ミヤマウグイスカグラもその一つ。
(※全体に毛のあるヤマウグイスカグラを基準変種とし、無毛の変種をウグイスカグラ、
多毛かつ腺毛の多い変種をミヤマウグイスカグラとして区別するのが一般的です。)
多摩丘陵には自然分布しないミヤマウグイスカグラですが、時々、植栽されていることが
あるので、もし花や果実までモジャモジャのウグイスカグラを見かけたら要注目です!
ミヤマウグイスカグラを見た後だと、普通のウグイスカグラがいっそう美肌に見えません?
今日のおまけは雑草。キュウリグサ、スズメノエンドウ、そしてノカンゾウの芽生えです。