4月4日、現地の方からある依頼を受け、なな山緑地(多摩市和田)まで出張してきました。
以前も何度か訪れているのですが、なな山緑地の会の精力的な活動は目を見張るものが
あり、緑地内の雑木林は本当によく手入れが行き届いています。そして何といっても、
会の皆さんがとても生き生きと活動を楽しんでおられ、お一人お一人の緑に対する愛情と
あたたかいお人柄が印象的です。今回も、特別に緑地内をご案内して下さりました。
この場所を初めて訪れた時のことが、なな山緑地の会のブログに詳しく書かれています。
あれからコロナ禍やナラ枯れの蔓延など、ボランティア活動の継続にも様々な困難が
あったことは想像に難くありませんが、当時その個体数に驚いたニオイタチツボスミレの
群落は健在で、ちょうど花盛りでした。本種は雑木林の林床管理に依存する指標種でも
あり、それだけでも、手入れを絶やさずに続けてこられたことが伝わってきました。
自生ではありませんが、多摩市や川崎市では各所で栽培品が逸出しているヒゴスミレです。
本来は低山地の針葉樹林下などに生えるもの。ここはどうやら居心地が良いようですね。
2020年に訪れた際に偶然見つけた希少なシダ、ギフベニシダとコバノイシカグマの小群落、
すぐに目印を立てて保護して下さったものです。現在も、元気に育っていて安心しました。
大好きなモエギスゲがたくさん穂を伸ばしていたので、しゃがみ込んで観察していると、
「どれどれ?」と即席観察会が始まりました。花茎のてっぺんにある雄小穂は“畳”の
ような優しい色合いの模様を作っています。この良さをわかってもらえて私は大満足です!
「植物ばかり見て、私を忘れないで~!」とビロードツリアブがカメラの前でホバリング。
訪問の目的は別にありましたが、すっかり、なな山緑地の春を満喫してしまいました。
現在は、ナラ枯れや風雪害による危険箇所も多いため、アポなしでの散策はお控え下さい。
いずれ安全が確保され、散策を楽しめるようになれば、多くの方にこの素敵な里山へ
お出かけいただきたいと思います。ご案内して下さった会の皆さまに感謝申し上げます。
追記:この日は午後から観察会の下見で松が谷方面へ。レポートはまた機会を改めます!
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